Analog Synthesizer Lecture

ストリングス(Strings)サウンドの作り方

a:作り方/その1   b:作り方/その2

b:作り方/その2、鋸歯状波を使ったストリングス

 

・次は典型的ストリングスサウンドの音源である鋸歯状波を使って音作りをしてみましょう。これは Moog Modular V のように VCO の数が沢山あれば比較的簡単に実現可能です。


・本物のアナログシンセでストリングスのフレーズを作る場合には、Moog Modular V のように多数の VCO が用意できない場合もあります(というより、ほとんどの場合、VCO の数はそれほど多くはないでしょう)。

 このような時には、マルチトラックレコーダーを使って何度も何度もストリングスの音を重ねて音を厚くします。昔のシンセのストリングスフレーズはこうやって作っていました。フレーズに和音が含まれる場合には、予め譜面を作っておき、このパートは8回重ねるとか、このパートは6回重ねる等の計画を練ってから録音を行いました。


・基本的には沢山の VCO にビブラートをかけて、それら VCO の鋸歯状波アウトをミックスして VCF -> VCA と送れば OK です。

 ところが、Moog Modular V ではビブラート用の LFO は2つしかありません。

 そこで、9つある VCO のうち、6つを音源用、3つを LFO 代わりにしてビブラートをかけまくる作戦が考えられます。


・バイオリン系サウンドにビブラートをかける場合、音が出た後、ほんの少ししてからビブラートがかかりだす「ディレイビブラート」が効果的です。

 Moog Modular V の LFO には、このディレイビブラートのための「Delay」と「Fade In」のパラメーターが最初から付いているので便利です。

 しかし、VCO を LFO の代わりに使った場合には独自のパッチで、この Delay 機能を作る必要があります。


・ディレイビブラートを付ける場合には、(LFO 代わりの)VCO -> VCA と接続し、VCA には鍵盤を押した後、ゆっくりと電圧の上がる CV を Envelope Generator で作り接続します。

 この VCA からの CV を音源用 VCO につなげば、鍵盤を押した瞬間はビブラートがかからず、時間が経つにしたがって徐々にビブラートがかかり始めるディレイビブラートが作れます。


・ディレイビブラートをかけるパッチのブロックダイアグラムを以下に示します。

 

DelayVibrateDiagram


・ここでは全ての VCO にビブラートをかけて音を作っていますが、本物のストリングスセクションは必ずしも常にビブラートをかけて演奏しているわけではありません。しかし、アナログシンセでの音作りの場合には、多少たりともビブラートが入っていた方が、音の厚みが出て良いように思います。


 


Moog Modular V を使って鋸歯状波ストリングスを作ってみる

・では Moog Modular V を使って VCA と Envelope Generator を使ったディレイビブラートを使った鋸歯状波によるストリングスサウンドの音作りを紹介しましょう。

 


・ここでは音源になる6つの VCO を3つずつ左右に振り分けて、ステレオ感のあるストリングスサウンドを作り出しています。


 


Reason を使って鋸歯状波ストリングスを作ってみる

 

 同じ鋸歯状波によるストリングスの音作りを Reason でやってみた例を以下に示します。

 


 



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